CEO
技術リソースは神聖なものである
「技術リソースは神聖なものである、社長の思いつきで使ってはいけない」
出典元は忘れてしまったのですが、これを知ってハッとしたことを覚えています。
当社は、アナリティクスの会社です。そのコアコンピタンスはまさに技術力です。
私は技術者ではありませんが、技術そして技術者が大好きな経営者です。
創業した当初から世界の優れたオープンソースを生み出した技術者の想いや
そのプロダクトに魅了されてビジネスを続けてきました。
ともするとビジネス側の人間は、技術リソースを軽く扱ってしまう傾向があります。
もちろん経営目標を達成するためには、技術的な支援がないと達成できません。
しかしそれに甘えてしまい、何でもかんでも技術者にお願いしたり、
緊急の割り込み仕事をお願いしたりすると、技術サイドは疲弊します。
これは「ガチョウと黄金の卵」の寓話を思い出させます
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ある貧しい農夫が、飼っていたガチョウの巣の中に、黄金の卵を発見した。
毎日1日1個、黄金の卵を見つけ、農夫は大金持ちになった。
ところが、富が増すにつれ、せっかちになっていた農夫は、
1日1個の黄金の卵では待ちきれなくなった。
ガチョウを殺して腹の中の卵をすべて手に入れようと決心した。
しかし、いざガチョウの腹を開けてみると中は空っぽだった。
黄金の卵はもちろんなく、
黄金の卵を手に入れる手段さえも、農夫はなくしてしまった。
黄金の卵を生み出してくれるガチョウを殺してしまったのだから。
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短期的な金の卵(売上など)を求めるために、ガチョウ(技術力)を殺して
しまっては、長期的な成功は望めません。
私も人間なので、緊急度の高いことに技術リソースを借りたくなります。
ただそれを技術者に依頼する前にもう一度自分に問います。
「本当にそれは重要なことなのか?」と。
今後ますます経営者にはテクノロジーとタレントをどう捉えるかの視点が求められる気がします。
私もまだ不完全ですが、少なくとも技術者に敬意を払う経営者でいたいと思います。